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電線関係の法規

※資料抜粋:一般社団法人 日本電線工業会 発行「電線の知識」2018年3月13版

電線関係法規

電気エネルギーは、我々の生活や産業に大きな影響を与えてきました。電気が現代の生活文化の向上に与える恩恵は計りしれないものがある半面、電気のもっている特殊な性質から、電気工事の欠陥とか、電気機械器具、電気材料の品質不良又は取り扱いの不適正などによって、感電や電気火災事故を引き起こし、尊い人命や貴重な財産を失うという事例は、われわれの日常生活においてしばしば経験することです。そこで、
これらの電気事故を未然に防止するために、現在どんな法律が制定され、どのような目的のもとに規制が行われ、その目的を達成しようとしているかを簡単にみておくことにします。
 電気に関する法律で、特に電線に関係の深いものとしては、電気の保安について規定した「電気用品安全法(旧電気用品取締法)」、電気設備における感電、火災などの防止について規定した「電気事業法」があり、それぞれの電気用品の技術基準、電気設備の技術基準及びその解釈において、電線関係の基準が定められています。電気施設の工事に従事する者の資格や義務については、「電気工事士法」により規定されています。
 一方、われわれの日常生活は、電気以外にもさまざまな文明の恩恵を受け、便利さに慣れ切っていますが、その半面では、常に人災や天災といった危険と隣あわせの生活をしているともいえます。
 このようなことから消防法・建築基準法では、建築物の火災など非常時に備えて各種の消防・防災設備の設置を義務づけ、これらの電気回路の配線に対して人身の安全確保のための規制をしています。
 もちろん、このはかにも電気関係の法規はありますが、ここでは前記のものについて述べることにします。

電気用品安全法〈平成26年6月18日改正・法律第72号〉〈平成11年8月6日改正・法律第121号〉

電気用品の技術上の基準を定める省令〈平成25年7月1日改正・経済産業省令第34号〉

 電気用品安全法の前身である電気用品取締法は、一般家庭や商店などにおける粗悪な電気用品による火災、感電事故の防止と、ラジオ、テレビなどの電波障害による雑音防止を目的として定められた法律(同法は昭和36年11月制定公布された)で、この目的達成のために、電気用品の対象範囲を定め、その製造・販売及び使用に対しての一定の規制を加えることにより、粗悪な電気用品の一般への流通によりもたらされる電気事故を防止しようとするものです。
 また、諸外国からの要望などを踏まえ、電気用品取締法行政国際化の一環として、国際規格であるIEC規格の取り入れも行われており、電線については電気用品の技術上の基準を定める省令第2項(経済産業大臣が電気用品の構造、材質などから判断して保安上支障がないと認める基準)の実施運用に関して、定格電圧450/750V以下の塩化ビニル絶縁ケーブルとゴム絶縁ケーブル及び定格電圧600/1000Vのビニル、EPゴム又は架橋ポリエチレン絶縁ケーブルが基準として採用されています(ただし、平成25年7月1日に省令が「性能規定化」改正され、前述の省令第2項は電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈別表第十二に移行しています)。
 しかし、近年製造事業者の安全意識の浸透を背景に、電気用品の安全性は格段に向上し、事故原因も過去の製品に起因するものから使用者の誤使用などに起因するものが大半を占める状況になってきたことから、また、社会の高コスト構造改善のため、新規制緩和推進3か年計画(平成10年3月閣議決定)などにおいて、自己責任原則、政府の直接的な規制の最小限化などを基本として、電気用品取締法(以下、「電取法」と略す)の見直し・検討が行われることになりました。
 これを受けて、平成11年8月6日に「通商産業省関係の基準・認証制度などの整理及び合理化に関する法律」が公布され、電気用品安全法(以下、「電安法」と略す)に改称され、平成13年4月1日から施行されることになりました。また、この法律に関係する政省令についても、電安法に基づく名称に改称され、その内容も大幅に見直し・改正が行われました。

 電取法で、政府が直接行っていた製造事業者登録、型式認可などの事前の安全チェックは廃止され、電安法では「届出」及び「製造事業者の自己確認及び通商産業省(現在の経済産業省)の認定(海外の場合は「承認」)を受けた検査機関による適合検査」が義務づけられることになりましたが、これまで公益法人に限定されていた指定試験機関制度が廃止され、民間による第三者検査機関制度が導入され、製造事業者が検査機関を選択することが可能(競争原理の導入)となりました。
 また、海外の製造事業者登録に対する法的位置づけがなくなり、海外の製造事業者は新たに導入された外国の承認検査機関制度により、適合性検査を受けることになりましたが、海外からの製品を国内で販売しようとする輸入業者には、国内の製造事業者と同様、事業開始の日から30日以内に、経済産業大臣に電気用品の区分(ゴム系絶縁電線類又は合成樹脂絶縁電線類)ごとに、その事業開始の届出をしなければならないことになりました。
 電気用品には、一般家庭、商店、事務所、工場などで使用される電気部品・電気製品・電気機器のほとんどのものをその対象としており、電取法では、その構造又は使用方法などからみて、比較的危険又は障害発生の恐れのあるものを「甲種電気用品」、甲種電気用品以外のものをすべて「乙種電気用品」として定め、電線・ケーブルは甲種電気用品に分類されていましたが、電安法では、そのうち製造実績のないゴム系絶縁電線の蛍光灯電線、ネオン電線及び金糸コードが電気用品対象外とされ、ほとんどのものがそのまま「特定電気用品」に移行され、前記のとおり、届出及び認定検査機関による適合性検査が義務づけられました。

電安法による電線・ケーブルの品目及び適用範囲を下表に示します。

特定電気用品

品目 範囲
・ゴム絶縁電線
・合成樹脂絶縁電線
導体の公称断面積が100mm2以下、定格電圧が100V以上600V以下のものに限る。
・ケーブル (外装がゴムまたは合成樹脂のもの) 導体の公称断面積が22mm2以下、線心が7本以下のもので定格電圧が100V以上600V以下のものに限る。
品目 範囲
・コード 定格電圧が100V以上600V(注)以下のものに限る。
(注)技術基準では、コードの定格電圧を300V以下と規定している。
・単心ゴムコード
・より合わせゴムコード
・袋打ちゴムコード
・丸打ちゴムコード
・その他のゴムコード
・単心ビニルコード
・より合わせビニルコード
・袋打ちビニルコード
・丸打ちビニルコード
・その他のビニルコード
・単心ポリエチレンコード
・その他のポリエチレンコード
・キャブタイヤコード(ゴム)
・キャブタイヤコード(合成樹脂)
・金糸コード(合成樹脂)
・キャブタイヤケーブル 導体の公称断面積が100mm2以下、線心が7本以下のもので、定格電圧が100V以上600V以下のものに限る。
・ゴムキャブタイヤケーブル
・ビニルキャブタイヤケーブル(ゴム)
・ビニルキャブタイヤケーブル(合成樹脂)

特定電気用品以外の電気用品

品目 範囲
・蛍光灯電線(合成樹脂)
・ネオン電線(合成樹脂)
導体の公称断面積が100mm2以下のものに限る。
・ケーブル
(外装がゴム又は合成樹脂)
導体の公称断面積が22mm2を超え100mm2以下、線心が7本以下のもので、定格電圧が100V以上600V以下のものに限る。
・溶接用ケーブル
(ゴム又は合成樹脂)
導体の公称断面積が100mm2以下のものに限る。
・電気温床線
(ゴム又は合成樹脂)
-

 ただし、ケーブルで導体が22mm2を超えるもの(ただし、100mm2以下)並びに溶接用ケーブル、合成樹脂絶縁電線類の蛍光灯電線、ネオン電線及び金糸コードは、一般消費者に直接の危険性を及ぼす機会が少ないものとして、特定電気用品以外の電気用品(政令で規定の343品目)として区別されることになりました。電取法の乙種電気用品に相当するこれらの電気用品には、前記の届出義務のほか、電気用品技術基準への適合性を確認する検査記録の作成・保存義務(3年間)が明文化され、自己確認を前提とした電安法では、自己責任の明確化の観点から必要最低限のものとして、特定電気用品以外の電気用品に対しても、完成品全品に対する外観検査、絶縁耐圧試験及び通電検査の義務づけが行われました。

 なお、電気用品に表示すべき事項として、特定電気用品、特定電気用品以外の電気用品毎に新たな記号が決められたことにより、これまでの∇マークは下記のとおり変更されることになりました。

特定電気用品 特定電気用品以外の電気用品
特定電気用品 PSE 電線、部品材料等で、表示が困難な場合は、〈PS〉Eと表示する。 特定電気用品以外の電気用品 PSE 電線、部品材料等で、表示が困難な場合は、(PS)Eと表示する。

 また、特定電気用品にあっては、これまでの型式認可番号にかわり、製品又は包装の表示に適合検査機関名を表示することが義務づけられています。その他の表示すべき事項については、電安法改正によって電気用品技術基準へ移行して、これまでと同様の方式で規定されています。

電気設備の技術基準〈平成28年3月23日経済産業省令第27号〉

電気設備の技術基準の解釈〈平成9年5月制定、平成29年8月14日改正〉

 電気事業法(昭和39年法律第170号) 第39条第1項及び第56条第1項の規定に基づいて、電気設備に関する技術基準が省令で定められています。この技術基準の目的は、発電、送電、変電及び配電の各分野における電力供給設備及び需要家側の電気設備について、施設の維持、電気供給の安定確保を図るとともに、感電や火災の防止、その他の危険・障害を防止することにあります。
 電気設備の技術基準は、電線路や配線・電気機械器具を施設する場合に、設置者が保安上達成すべき目標及び性能を規定しています。具体的な資機材や施設方法は、設置者の自主的な判断に委ねられていますので、技術進歩への迅速かつ柔軟な対応ができます。また、国外も含めて、設置者が適切な資機材や施設方法を広く選択できるので、コスト削減の促進も期待されています。
 電気設備の技術基準の解釈は、電気事業法に基づく保安確保上の行政処分を行う場合の判断基準として、省令に定める技術的要件を満たすべき技術的内容を具体的に示したものです。たとえば電線路を施設する場合や電気使用場所の施設に配線する場合に、使用することのできる電線の種類、構造及び性能などが規定
されています。ただし、電線の規定について、電気用品の対象のものは電気用品安全法の適用を受けるため
除外されます。それ以外のもの、すなわち低圧ケーブルで導体の断面積が100mm2を超えるものや線心が8
心以上のもの、600Vを超える高圧又は特別高圧ケーブル、特殊用途の電線などについては、電線の構造や
性能、施設方法が詳しく定められています。

電気工事士法〈平成26年6月18日法律第72号〉

 この法律は、電気工事の作業に従事する者の技術レベルが低いために起こる、電気工事の欠陥による災害の発生を防止する目的で、昭和35年8月1日に制定されました。この法律では、自家用電気工作物(発電所・変電所など)及び一般用電気工作物(需要家側の電気設備)の電気工事作業は、省令で保安上支障がないと認められる作業などを除き、免状の交付を受けている電気工事士でなければ従事してはならないと定めています。
 電気工事士は、電気に関する基礎理論、電気機器・配線器具・電気工事用材料及び工具、工事・施工方法、電気工作物の検査方法などについて必要な知識と技能を修得しているだけでなく、電気工作物の保安に関する法令(電気設備の技術基準とその解釈及び電気用品安全法と電気用品技術基準)の知識をもち、電気工事が原因で発生する災害の防止に員献しています。
 以上述べてきたように、われわれが日常生活において安心して電気を利用できるのも、電力の安定した供給と災害・事故の回避、電気使用場所の施設における危険・障害の防止に関係する法規が整備されているためです。しかし、近年における目覚しい技術進歩と保安実績の向上により、自己責任に基づく自主的判断が求められる時代となってきました。電気事業法では、すでに性能規定化され、電気用品安全法でも技術基準の性能規定化の改正がされるとともに品目の大くくり化が進行中であるなど、電気の関係でも規制緩和と国際規格の取り入れが進んでいます。したがって、われわれ自身が法の順守だけでなく、電気の保安などに対する認識をより一層高めていくことが大切です。

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