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LANの知識

ツイストペアケーブルを用いたLANについて

70年代半ばにイーサネットと呼ばれるLAN技術が米国で開発されました。現在主流となっているこのイーサネットにはいくつかの種類がありますが、その中でもっとも普及しているのがツイストペアケーブルを使用した方式です。10BASE-T,100BASE-TX,1000BASE-T,1000BASE-TX,10GBASE-Tなどの種類があります。10BASE-Tは10Mbps(1秒間に10メガビットのデータを伝送する通信速度)に対応し、100BASE-TXが100Mbps、1000BASE-T,1000BASE-TXは1000M(1ギガ)bps、そして最新の10GBASE-Tは10ギガbpsの通信速度に対応しています。

メタルLANケーブルを用いた配線規格の一覧  (ギガビット=1000メガビット/秒)

メタルLANケーブルを用いた配線規格の一覧
※カテゴリー5は参考資料
※ときどき見かけるカテゴリー6eは正式な規格ではなく各メーカーの呼称です。

メタルLANケーブルを用いた配線規格の一覧

カテゴリー7/7A対応のプラグおよびジャック
ベルヒューズ(スチュアート)のコネクター
※カテゴリー6A以下のプラグやジャックとは仕様が大きく異なるため接続することはできません。
※スチュアートのコネクタは一般のコネクタ形状と類似していますがピンの位置が大きく異なります。
※掲載した社名、製品名等は各社の商標または登録商標です。

*1 UTP:シールドなしツイストペアケーブル
*2 S/FTP:2重シールドツイストペアケーブル・・・ANEXTの心配なし
*3 Four chamber connectorの通称
*4 RJ-45とよく似た形状だがピン配置が異なる特殊構造

最新規格 / オーグメンティッドカテゴリー6について

規格動向

 

高速10ギガビット・イーサネットである10GBASE-Tは、2006年にIEEE802.3anで規格化されました。それをうけて2009年秋、ケーブルなどの規格がANSI/TIA-568-Cにてオーグメンティッドカテゴリー6(以下cat6A)として定義されました。

特長

 

従来のカテゴリー5eの5倍、カテゴリー6の2倍の周波数、500MHzという広帯域を使用することで安定した高速データ通信が可能になりました。現在RJ45(モジュラープラグ)を使用するイーサネットとしては最速の規格です。

問題点

 

cat6Aで最大の問題は、隣接するケーブルからのノイズ(エイリアンクロストーク)やバックグランドノイズ(携帯電話, テレビ, 無線機器, 送電線等のノイズ)です。<※1ご参照>
cat6Aは500MHzという高周波帯域を使用します。高周波では伝送信号の減衰やノイズが大きくなるためケーブルを束ねて配線する場合には、隣接するケーブルのノイズ対策を十分に行う必要があります。

テスト

 

エイリアンクロストークの影響の有無は6-around-1という測定方法を用いて布設現場にてテストするよう推奨されています。これはテスト対象の1本のケーブルの周りに6本のケーブルを布設し、それらのノイズがどの程度影響を与えるかを測定するテスト方法です。このテストには大変な労力と時間がかかります。<※2ご参照>

対応策

 

シールドケーブルを使用するとノイズを大幅に低減することができ、厄介なエイリアンクロストークを考慮する必要がなくなります。さらにバックグランドノイズ対策にも効果があり、隣接ケーブルへの影響も低減されて安定した伝送が可能になります。従って当社のcat6A対応ケーブルはシールド付きケーブルだけをラインナップしました。

推奨製品

 

複数のケーブルを束ねて使用する際やバックグラウンドノイズのある環境下で使用する際には当社のシールド付きcat6A対応ケーブルのご使用をお薦めします。



エイリアンクロストーク


LAN用UTPケーブルについて

 

ツイストペアケーブルを用いるLANシステムでは一般的にUTPケーブルの4対を使用します。「UTP」とは「Unshielded Twisted Pair Cable」の略称で、一般に0.5mmの単線導体もしくはAWG24のより線導体を2本対よりにし、これを4組より合わせた構造のケーブルを意味します。
(参考:「STP」とは「Shielded Twisted Pair Cable」の略称)

導体の種類について~「単線導体」と「より線導体」の違い

導体の種類について

LAN用ツイストペアケーブルの導体には単線導体とより線導体の2種類があります。単線導体は銅線1本で構成されており、伝送特性にすぐれ距離の長い幹線系配線に適しています。より線導体は7本の細い銅線をより合わせて1本の導体を構成しています。やわらかく屈曲性にすぐれ、デスク周りの取りまわしなどに適しています。

UTPケーブルの取扱いについて

モジュラープラグのピン配列

当社のLANシステムには厳格で信頼性の高いANSI/TIA-568-C.2規格(米国国家規格協会/米国電気通信工業会)を採用しています。同規格のピン配列にはT568AとT568Bの2種類がありますが、当社では市場動向を考慮し現在ネットワーク構築の主流となっているT568A配列を採用しています。

UTPケーブル内部のツイストペアのより戻し (4ペアを8心平行にする)

エンハンストカテゴリー5のUTPケーブルでは、特性を維持させるためツイストのよりを戻す長さは0.5inch(12.5mm以下)と規定されています。また、ケーブルシース(外被)も必要以上に剥がさないようにします。なお、より戻した8心の絶縁体を剥く必要はありません。※カテゴリー6ではプラグの種類によって一概には言えませんがより戻しをさらに短くする必要があります。

UTPケーブル布設時の注意

○最大延長距離:PCと機器間のケーブル布設距離は100m以内と規定されています。 ○布設張力:4対ケーブルの場合110N(11kgf)以下の張力で布設してください。 ○曲げ半径(布設時):4対ケーブルはケーブル外径の4倍(約22mm)以上、多対ケーブルはケーブル外径の10倍以上で布設してください。なお、UTPケーブルには微妙に制御された対よりを施してあるので捻れや締め付けによる圧縮を受けないよう布設時には細心の注意をはらってください。

配線の種類 (ストレートケーブルとクロスケーブル)

PCと機器等の接続に使用されるのは通常ストレートケーブルで両端の配線がT568AもしくはT568Bのいずれかに統一されています。一方、クロスケーブルは直接パソコン同士を接続する場合やクロスオーバーポートを用いてのHUB間のカスケード接続に使用する場合があります。詳しくはネットワーク機器の取扱説明書をご参照ください。

TIA/EIA-568-B ピン配置

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