PFAS規制とは?
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1. PFASとは
PFASとは、ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物の略称で、炭素とフッ素が強力に結合することで生まれる化合物の総称です。
PFASには、耐熱性・撥水性・耐油性に優れているものがあり、1940年代以降、幅広い用途で使用されてきました。例えば防水スプレーやレインコート、フライパンのコーティングそして電子機器や電線の絶縁材などといった多岐にわたる製品です。
しかし一方で、PFASは自然環境で分解されにくく、半永久的に蓄積され続ける特徴を持っているために、「永遠の化学物質」とも呼ばれています。そのため分解されずに残留したPFASが土壌や水に蓄積し、ひいては人体への影響が懸念され始めています。
2. PFAS規制の現状
1990年代後半から、PFASの環境および健康への影響が注目され始め、各国で規制の動きが進んでいます。特に注目されているのがPFASの一種である「PFOS」や「PFOA」です。これらは、発がん性や生殖毒性などのリスクが指摘されており、欧米諸国ではすでに製造・使用が厳しく制限されはじめています。
日本でも、2010年に化審法でPFOSの輸入や製造などが原則禁止となりPFASが規制され始めました。また、2020年には水道水や地下水の暫定目標値が決められ、全国の水道局等での対応が求められるようになりました。今後、さらに多くのPFASが規制の対象となる可能性があります。
3. 電線とPFASの関係
電線の製造にも、耐熱性・撥水性・耐油性に優れた特性からPFASの一部が使用される場合があります。現状は環境や人体への影響の少ないPFAS物質であっても、規制の強化により規制対象物質が増えることで、代替素材の開発や調達、製品設計の変更など、対応を迫られることになるかもしれません。